アーシャ会報:号外2

インドと日本を幸せにするモリンガの環

北海道情報大学医療情報学部 准教授 母子保健専門家  奥村 昌子


モリンガチームと筆者(前列中央)

アーシャ会員の方にはすでにお馴染み「モリンガパウダー」。皆さんはもうお試しになりましたか。モリンガは家庭菜園でも栽培ができるため、インド農村部の母子保健プロジェクトの一環として、妊婦さん、子どもたちの栄養改善のために用いられてきました。モリンガ葉はカレーにしたり、粉末はスイーツにしたりと、インドではモリンガを日常的に料理に使われています。今年度からは、ヘルスボランティアの女性たちがモリンガ栽培を本格的にスタートさせ、モリンガを乾燥させてから粉末にする「モリンガパウダー」の生産、販売をしています。私はモリンガをアーシャのプロジェクトを通して知りました。Googleトレンドで「Moringa」をみてみると、世界では2012年頃からじわじわと検索されるようになってきたようです。そして、2018年ごろには、「スーパーフード」として、特に海外のメディアで、モリンガの記事が頻出するようになりました。今では、お茶やパウダー、錠剤などモリンガを使った食品や化粧品などがたくさん出回っています。今回は、このモリンガについて、会員の皆さんと一緒に考えてみたいと思います。

モリンガパウダーと小松菜を比べてみると

我が家には今年小1になる男の子がいます。食事に集中できないこともしばしば。そのため、小松菜やブロッコリーなど、少量でも栄養素が多めに取れる食材をいつでもつまめるようにしています。特に、食物繊維やカルシウム、鉄や葉酸などは、意識しないとなかなか十分に取れない栄養素。うちの子に限らず、全世代で不足しがちな栄養素でもあります。そこで、普段の食生活にモリンガパウダーを食材のひとつに加えた場合について、私なりに栄養面と経済的な面についてざっくりと検討してみました。

表は、モリンガパウダーと我が家の常備菜「小松菜」のおひたしの栄養成分です。モリンガパウダー小さじ1杯で、食物繊維が1.0g(男性21g以上、女性18g以上が目標量)、カルシウム69mg(男性750mg、女性650mgが推奨量)など、ミネラル類の含有量が多い食材のようです。ビタミンAは96㎍、葉酸36mgなど、少量でもビタミン類を相当量摂取できます。また、血圧を安定させ、リラックスした状態にする神経伝達物質GABA(ギャバ)は、モリンガにも含まれています。モリンガパウダー小さじ1杯には8.4mgで、小松菜のおひたしの小鉢1杯と同程度のGABAが含まれています。価格は、モリンガパウダー小さじ1杯3gで51円。小松菜のお浸しはおよそ60円なので、保存でき、調理もいらない分、モリンガパウダーのコスパはよい感じです(小松菜は、北海道の価格120円/100gで計算)。このようにみてみると、モリンガパウダーは、栄養面でも経済的な面でも、食生活に取り入れることの検討に値する食材だなと思います。野菜が足りない時や、料理が面倒な時、少量しか食べられない時など、栄養素を補う食材としてモリンガパウダーを活用したいと思いました。皆さんはいかがだったでしょうか。

不足しがちな栄養素をゲット!

モリンガパウダーちょい足しアイディア(小さじ一杯)
・ヨーグルトにモリンガパウダーをかける
・ヨーグルトと牛乳、モリンガパウダーでモリンガスムージー。
はちみつなど甘味を加えてもおいしい!
さらに冷凍バナナや冷凍ベリーを加えて、ミキサーにかけるとフローズンアイス風に。
・ホットケーキやパン、お好み焼き、たこ焼きなど粉モノ料理にちょい足し
・卵焼きに
・サラダなど少し青みがほしい料理にひと振り。ドレッシングに加えてもいい感じ。

インドと日本を幸せにするモリンガ

前述したようにインドでは、モリンガは妊産婦や子どもたちの栄養改善に、生産と販売は、ヘルスボランティアの女性たちの収入向上につながっています。同時に、モリンガは、現在の食生活で不足しがちな栄養素を補える食材であり、日本の私たちの課題解決にも寄与します。モリンガの「生産」「販売」「購入」「摂取」の循環は、インドの農村にも、日本の私たちにも幸せをもたらしてくれます。インドと日本をつなぐモリンガの環がこれからも大きくなることを願っています。

 

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