(2011年4月1日から2012年3月31日まで)
I 事業実施の結果
近年、国際協力の在り方が見直される中で、NGOの役割が益々重要視されてきた。実際、ODA(政府開発援助)の予算は年々減少しつつある一方で、政府はNGOとのパートナーシップで行う予算を増やしている。これは国際開発事業の要求がより多様化し、柔軟に対応できる小規模組織が必要になってきていること、政府の開発援助に関わる資金が欠乏している現状で、資金的にも効率のよい事業が要求されていること、NGOの開発支援能力が高まっていること等が一層NGOへの期待を大きくしていると考えられる。見方を変えれば、開発NGOの活動は政府系国際協力事業に引けをとらぬ力があることを認められつつあると言えよう。
2003年より、本会が行ってきたインドでの支援活動は仕事に誇りと自信を持った農村青年、農村女子を育成することに重点をおいてきた。その成果は十分に出てきている。2011年度後半から、様々な活動が彼ら、彼女たちが中心になって行われている。例えば農村保健ボランティア、SHG(Self-Help Group:小規模自助グループ)、アーシャ学校の合同運動会、特別学校やキャンプ、有機農業組合加工部門の活動等である。これは「持続可能な開発」を大きな柱としている継続教育学部にとって、大きな前進であったといえる。
インドでの活動をより自立・発展させるために、2010年10月に設立支援したインドのNGO「ASHA SMILE TRUST(AST)」では、7名の農村出身スタッフが精力的に活動し、また、農村のリーダーとしても重要な役割を果たしている。かつて継続教育学部の高学歴のプロジェクトスタッフが行っていた農村での活動の大部分は彼らによってなされている。アーシャ学校のモニタリング、裁縫クラス運営と監督、稲作・養鶏普及、SHGの組織運営に関するモニタリング、収穫感謝祭の組織運営等である。ASTと継続教育学部との関係が新たなアプローチを模索する上で貴重な経験になると思われる。
本会が発足し、早8年が経過した。その間、多くの支援者、個人の寄付金、財団助成金、日本政府系受託業務収入(JICA)等によって、今日に至るまで本会の目標に向かって活動することを許された。また現地のインド人スタッフ、本会派遣スタッフ、短期派遣専門家、国内事務局、および本会理事、協力者らの多大な尽力によって実りある活動成果を上げることができている。心より感謝を申し上げる。
II. 本会の事業内容の概要
1.農業指導者研修事業の運営支援事業
(1)「10ヶ月持続可能な農業研修コース(SCSA)」の支援
2.未就学児のための初等教育施設の設立運営支援
3.奨学金を支給する事業
(1)貧困家庭への子供への奨学金
(2)ミャンマーの持続可能な農業に関する支援
4.農村の地域開発と農業の改善および普及を支援する事業
(1)北インドの小規模農民生活改善のための実用的なプロジェクト
(2)北インドの農村栄養と母子保健改善プロジェクト
5.事業を推進するための調査研究および、啓発・広報活動
詳しくは、こちらをご覧ください。