特定非営利活動法人  アーシャ=アジアの農民と歩む会
 
 

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 海外活動 日本人現地職員派遣  町上 広子



 【町上広子 経歴】 食品加工職員
  2004年 淑徳大学国際コミュニケーション卒業
  2005年 アジア学院でキッチンスタッフとしてボランティア、
        インターン、職員として参加
  2010年 食品加工職員としてインド現地派遣
        現在、一児の母として子育てにも奮闘
  2012年 任務を終え帰国

 「Who is your neighbor?(あなたの隣人は誰ですか?)」

 「Who is your neighbor?(あなたの隣人は誰ですか?)」夏季休暇に入る前、三浦先生から私たちスタッフにこんな質問が投げかけられました。聖書の中には「隣人を自分と同じように愛しなさい。」という教えがあります。私たちの周りのたくさんのインドの人々、人口の多いこの国では近所に住む人たちは大勢います。これだけ大勢の中で、では、どんな人が私にとって「隣人」と呼ぶべき人々なのでしょう。

 今年2月、アラハバードに到着して初めての私の仕事は、豚肉を使ったソーセージを作ることでした。食品加工品の販売を通じて、農民の収入向上を目的としたプロジェクトです。地元で飼われている豚を買い取り、加工し、付加価値をつけることで、豚肉の収入だけでなく、食品加工のための雇用が増え、村人たちの仕事を作り出すことができます。生産・加工に携わることで、村の人たちは加工技術の習得、日々の暮らしの充実感を得る事も将来希望です。

 この地域に宗教としても慣習としても根強く影響しているヒンドゥー教の文化では、豚を不浄な生き物と考える人々が少なくありません。そんな中、あえて豚肉の加工品を目指したのは理由がありました。私たちのキャンパスのすぐ近くに豚飼いの村と呼ばれる村があります。この村は不可触民、アウトカーストの人たちが住む村です。村人の多くが日雇い労働者として働き、子供を多く抱えた大家族が少なくありません。仕事をしたくても、カーストによってできる仕事が限られているので、建築現場でのレンガ運びや壁塗り、炎天下での草取り、ゴミ拾い等、重労働、肉体労働の割りに、収入は少しばかりです。新しく職業を作り出し、彼女たちだけにできる仕事として豚肉を使った加工品ならば可能性があります。

 しかし、ここで働く私たち日本人を含め大学卒業の肩書きを持ったカースト上層階級の人たちとは、お給料の基盤も初めから全く違います。病人が出ても、薬代が手に入らず、勉強の好きな子供がいても、教育費が貯金できず、オフィスに借金を頼みに来る職員もいます。私が一緒にソーセージ作りをしていた彼女たちもみんな母親で、子供を三人も四人も抱えています。そのうち一人は基礎教育を10年生まで終えてはいるものの、卒業資格はもっていません。他の二人は学校にほとんど行っていません。そんな人たちと売れるものを作るということは、彼らに将来の夢を描かせるよりも難しいことです。明日の生活費が必要で働きたい人に、来年には仕事が軌道に乗るからそれまでがんばろうと、ということは想像できないことです。村人と力を合わせて、おいしくて売れる、しかも利益の出る商品を作ろうと、希望を胸に抱く私自身と彼らの仕事に対する、生活に対するスタンスの違いを目の当たりにさせられました。ただのプロジェクトを行うことがどれほどの挑戦であるかを身にしみて勉強させられました。

 先日、夜中、あまりの暑さに部屋で寝ていられず、長椅子を引きずりテラスへ飛び出しました。そこには、日雇い労働の人々がよく通る小さな道が目に入りました。その道を見て、自分が住んでいる今の場所を改めて肌で感じています。

 

 

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