農村住民の収入向上を促す ー アラハバード有機農業組合の運営支援
小規模・貧困農民が健全で、豊かなくらしを実現できるよう、農作物の生産、食品加工・販売に携わるアラハバード有機農業組合(AOAC)の運営支援を行っています。
2004年、サムヒギンボトム農工科学大学マキノスクールと共同で、AOAC(アラハバード有機農業組合)を立ち上げました。AOACでは、持続可能な有機農業促進、無添加の農産加工、販売を軸に、農民の自立と農村の持続可能な発展、インドにいる日本食・自然食好きの方の食卓を豊かにすることを目指して活動しています。
2019年も有機野菜や日本米の栽培、加工食品(味噌、醤油、漬物、乾燥キノコ、乾燥モリンガなど)の質の向上と販路拡大のための協力・支援を行いました。日系の食品関連業者との大口取引の話が出るなど、AOACのビジネスが拡大する様相はありますが、同時に取引に必要な法的知識を持つスタッフの必要性を痛感しました。
プラヤグラージの市街地の朝市で、栽培農家が農産物を直接販売できるようになりました。参加する農家からAOACの支援が少ない、農家が直接販売することに抵抗があるなどの意見はありましたが、若い農家は直接販売に積極的でした。そこで、彼らがリーダーとなり、直接販売を継続するように支援しました。
2020年3月下旬、コロナ感染拡大によりロックダウン令が施行され、移動・集会は規制されました。物流は滞り、取引先のレストランやホテルは休業し、在留日本人の多くは日本へ帰国しました。このため、日本米や加工食品の販売量は3分の1程度に落ち込みました。この状況を打開するため、AOACスタッフと連携し、個人消費者や地元消費者の発掘を行いました。また、組合に参加する農家の日本米栽培は最小限しか行われませんでしたので、農家の収入は減少しました。そこで、ロックダウン解除された2021年1月から3月、農家の皆さんも自主的に参加して、AOACスタッフとともに、市街地で野菜の直接販売を行いました。
2021年5月にコロナ感染の第2波が急拡大し、売上が5割近く落ち込みました。AOACの立て直しを行うために、農民とともに稲作栽培の改良を行うとともに、商品価格の見直し、大口予約の強化、加工食品の質の向上と販路拡大のための支援を行いました。コロナ感染が収まりを見せた11月下旬から販売量は増加しました。また、市街地での直接販売では、多種目の野菜作物のみならず、豆腐の定期購入者が増え、地元での販売促進に希望が持てるようになりました。
農村女性の小規模生産グループによるモリンガ、大豆、緑黄色野菜の栽培とそれらの加工、販売を継続して協力・支援を行ってきました。モリンガ生葉の粉末加工、豆腐製造は育成された農村女性によって行えるようになりました。そこで、2022年より、この活動は、アラハバード有機農業組合と共同で継続して行きます。
栽培農家が集まり、出来の良い農家からどのように施肥をしたのか、いつ種を播いたのか等を学びながら、作柄を良くするための相互稲作研修を行っています。