活動アーカイブ

1.農村有機農業普及事業
2.農村有機農業普及事業
3.僻地貧困家庭への教育支援
4.農村収入向上事業
5.農村女性地位向上支援
6.農村栄養保健事業
7.ミャンマーカチン州農業高校設立支援
8.海外研修生の受け入れ

※アーシャの風(日本人スタッフ・研修生のブログ)

 


1.農村の将来の担い手を育てる ― 農村指導者育成事業

特定非営利活動法人アーシャ=アジアの農民と歩む会は、サムヒギンボトム農工科学大学継続教育学部における、インド国内、周辺諸国の農村地域から、インド、ウッタープラデッシュ州に毎年約12名の研修生を受け入れ、農村青年のための持続可能な農業研修を実施する事業を日本から支援しています。
研修生は継続学部キャンパス内で10ヶ月間の農業研修を通じ、アジアの農民の生活向上のための、農村地域の人々の生活を支える農村指導者となることを期待しています。

 

研修は「Learning by Doing」をモットーとし、座学はもとより、より農場での実践的な手法を取り入れ、自家培養できる光合成細菌、土着菌など用い、家畜を育て、緑肥、糞尿からボカシ肥、堆肥、液肥を作り、安全な野菜を育てる有畜複合農業の理論と実践を中心に行っています。小規模・貧農農民のための小規模自然養鶏、発酵床養豚、農村地域の人々が作物から収入を得るための食品加工技術、作物の生産や販売、技術協力などのための有機農業組合の運営方法、また日本へのフェアトレード商品の販売を含む新たな市場の開拓方法など多岐にわたり、研修後には再び農村地域に戻り人々の生活向上のためにそれぞれの農村地域で活動を続けています。

上記の活動支援のために、同会では、様々な分野の専門家派遣を行っています。

 


2.インドの農村に有機農業を - 農村有機農業普及事業

特定非営利活動法人アーシャ=アジアの農民と歩む会は、サムヒギンボトム農工科学大学継続教育学部における、インド国内、周辺諸国の農村地域での有機農業普及事業を支援しています。

【主な事業内容】
・継続教育学部での普及、啓蒙活動
・専門家派遣
・農村組織の運営
・安定した生活、収入を得るための有機農業組合組織の運営
・有機農業に携わるワーカーのためのセミナー主催
・他地域のNGOとの共同事業支援
・インドや海外政府が行っている有機農業プロジェクトの助言活動
※組合運営は現在のところ、生産者自身とNGOが協力し合いながら行っています。主に組合員が生産した野菜、農産物の加工とその販売に重点を置き、また日本にも現地で取れる原料を用いたインドハーブ入浴剤をフェアトレード商品として販売しています。

【インドの農業の現状】
世界各地の発展途上国と呼ばれる国々の農村で、農業生産を高めるために使用されてきた化学肥料・農薬の弊害がますます表面化してきています。 インドもその例外ではなく、土が疲弊し、生産力が高まるどころか、低下している地域も多く見られ、弱った農作物に群がる病虫害を駆除するために、農民はますます農薬の使用を余儀なくされ悪循環となっています。また農薬の価格は収入の乏しい農民にとって非常に高価であり、そのために農地を失い、日々の食事でさえを失います。さらに危険な農薬を継続的に使用している地域では、かつての日本のように健康を害する農民や子どもたちが今も現れ、河川や飲み水などの自然環境汚染を危惧する声も聞かれています。

継続教育学部の活動は、農村地域での持続可能で安全な有機農業の普及に力をいれ、農村地域の将来を担う人材育成と直接の農村への働きかけをしています。

 


3.農村の子供たちに教育機会を - 僻地貧困家庭への教育支援

特定非営利活動法人アーシャ=アジアの農民と歩む会は、サムヒギンボトム農工科学大学継続教育学部における、アジア諸国の農村に必要な初等教育、高等教育の普及事業を支援しています。

 

継続教育学部では、現在4村で識字教育、初等教育を中心としたアーシャ希望学校を運営し、アーシャはこの事業において、校舎などの教育環境改善や、指導法の向上を目的とした支援をしています。
また本会より、僻地農村の勉強意欲の高揚と教育レベルの向上を図るために、アラハバード農村地域の子ども達を対象とし、奨学金を支給しています。
2009年度は、3つの対象村に大人の教育の為に農民学校を建設しました。写真左は、2010年1月に開校式を迎えたマエダ村の農民学校です。

 


4.農村住民の収入向上を図る ― 農村収入向上事業

特定非営利活動法人アーシャ=アジアの農民と歩む会は、小規模・貧困農民が、家畜・作物からより良い収入を得るため、作物生産、食品加工の技術、また販売に至るまでの技術向上を支援しています。
2004年にはJICAより支援を受け、サムヒギンボトム農工科学大学マキノスクールと共同でAOAC(アラハバード有機農業組合)を立ち上げました。AOACでは持続可能な有機農業促進、無添加の農産加工、流通・販売を軸に農民の自立と農村の持続可能な発展と、インドに滞在する日本食・自然食好きの方の食卓を豊かにすることを目指して活動しています。

写真は、ソーセージの生産技術指導の様子と、田植えを終えた日本米の様子です。
収入工場のための技術向上支援のために、同会では、様々な分野の専門家派遣を行っています。

 


5.農村女性の手に自立への道を - 農村女性地位向上支援

特定非営利活動法人アーシャ=アジアの農民と歩む会は、サムヒギンボトム農工科学大学継続教育学部における、プロジェクト対象地域での母乳育児支援や、栄養改善プログラムといった、農村の、特に幼児、子供たちの食環境について取り組んでいます。

 

農村においては伝統的に女性の社会参加は重視されてきませんでしたが、文化、伝統が農村においても急激に変質し始めています。それにつれて、多くの農村女性が自分の生活を改善していくことに意思を示し、継続教育学部の主導するプロジェクトに興味をしめしています。女性は家庭の現状を最もよく理解し、また子供の教育についても大きな影響を与えます。このような女性たちを相互自助組織の形成手法を用いて組織形成を促し、農村の中で女性の意思や発言力を高め、活力あふれる女性の社会的地位の向上を支援しています。

 


6.農村の乳児の命を考える - 農村栄養保健事業

特定非営利活動法人アーシャ=アジアの農民と歩む会は、サムヒギンボトム農工科学大学継続教育学部における、プロジェクト対象地域での母乳育児支援や、栄養改善プログラムといった、農村の、特に幼児、子供たちの食環境について取り組んでいます。

 

インド国内でも最悪の乳児死亡率地域であるウッタルプラデッシュ州の農村では、農村女性は育児方法や、食習慣についてあやふやな知識のまま、子育てをしています。また、村内では決して衛生的でない環境で出産が行われています。これらの現状に対して、存在している行政サービスも機能していないことが多く、またサービスを受けるためには、センターへの交通アクセスが必要不可欠であり、そのアクセスがない農村が多数存在します。

有機農業普及、貧困家庭教育事業と平行して、子供の将来のために乳児期の母乳育児の普及、幼児期の食生活の改善は大きな課題です。また実態を探るための調査も平行して実施し、行政機関などの公的組織や郡村の有力者、そして育児をする母親自身とともに地域の健康に取り組み、健やかな子供たちが育つ農村環境を目指して、 農村保健事業の実施を支援しています。

 

 


7.ミャンマーの人々に自立的な生活を - ミャンマーカチン州農業高校設立支援

特定非営利活動法人アーシャ=アジアの農民と歩む会は、政治的に不安定なミャンマーの特に山岳民族などの少数民族を対象に持続可能な農村開発に寄与する農村青年の人材育成を支援しています。現在は2008年度より毎年ミャンマーの草の根組織と連携し10か月の持続可能な農村開発研修の研修生受け入れを実施しています。

過去にはミャンマー・カチン州の暫定政府である、カチン独立機 構(KIO)政府が計画している持続可能な農業高校設立を支援するために、助言活動、また、関係者の日本での研修受け入れを行っています。このために、 アーシャ理事であり、農業専門家・牧野一穂、三浦照男が2005年10月同地を訪問し、助言活動を行っています。
2007年5月には3ヶ月間、同高校教師を含む関係者3名が日本で、有機農業、青年教育、カリキュラム開発に関して研修を行いました。本会は、その研修の調整、助言活動に協力しています。
(写真は2010年度SCSA研修生ムンケさん 故郷に戻ったらマッシュルームのプロジェクトの実現を夢見て卒業)

 


8.海外研修生の受け入れ

●サントシュ・クマール (アラハバード農業大学継続教育学部 農場長)2011年4月~6月

2011年4月より3か月間、継続教育学部農場主任のサントシュクマールに対して 日本における有機農業技術の習得と農村環境の視察を実施しました。
滞在中には愛農会、愛農高校、熊本土といのちを考える会、山のハム工房ゴーバル、霜里農場、山さと農場、ほか多くの個人の支援者の皆様のご協力をいただきました。また滞在中には日本の人々のホスピタリティーを肌で感じ、また日本の皆様にインドの農村の状況をお伝えすることができました。このような、途上国の農村に生きる人材と、日本の支援者の皆様との交わりは、これからの日本の農村を考えるうえで非常に重要な機会であるとアーシャは考えています。(写真は霧里農場にて)


●ジャネット・ラオ (ムスリー農村開発協会(MGVS)職員) 2005年11月~2006年1月


2005年11月25日より2006年1月7日まで、高丸有機農場(熊本県)で、農産品加工について研修を行いました。また、地元の消費者にインド料理などを紹介を行いました。(写真は、熊本いのちと土を守る会消費者の方に、インド料理を教えているところ)


●サミール・トプノ (アラハバード農業大学 継続教育学部研修担当職員) 2006年4月~7月

2006年4月30日より7月7日まで、三重県伊賀市にある愛農会・愛農学園農業高校を中心に有機農業、農村青年教育活動の研修を実施しました。

この他、アジア学院(栃木県)、田下有機農場(埼玉県比企郡小川町),有機有機有機志藤農業(山形県)等で有機農業研修、庄内共同ファーム(山形県)、荘内教会保育園(山形県)等に宿泊し、同様に学びを深めました。
(写真は、愛農会会員の農家さん見学の様子)